【体験談】他大学&他学部から臨床心理士指定大学院を目指すためのスケジュール

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こんにちは。りんです。

この記事をご覧になっている皆さんの中には、臨床心理士・公認心理師を目指すために心理系の大学院への進学を検討されている方もおられるかと思います。

私は、大学では心理学ではなく他の分野を学んでおり、臨床心理士養成課程のある大学院を受験しました。

心理学部の出身ではありませんでしたが、無事合格し第一希望の大学院へ進学することができました。

りん

決して簡単ではありませんでしたが、準備をしっかりおこなえば心理学部以外の学部出身でも合格は十分可能です

そんな私が、どのようなスケジュールで大学院進学を目指したのかについてご紹介します。

心理系の大学出身じゃないけど、臨床心理士を目指したい。
でもできるかな…

そんな思いを持つ方の参考になりましたら嬉しいです。

私が大学院入試を受けた当時(2014年)は、公認心理師はまだ誕生していませんでした

心理系の国家資格である公認心理師になるためには、心理学部卒業後→心理系大学院修了(または指定の施設にて2年間研修を受けること)が必要となります。

りん

他学部から心理系の大学院へ進学しても公認心理師試験の受験資格は得られませんので注意しましょう!

目次

他学部へ進学したが、臨床心理士を諦めきれず

私が最初に臨床心理士を志したのは中学生でした。

長年、「心理に関わる仕事がしたい」「できれば思春期の子どもの支援がしたい」と思っていました。

りん

臨床心理士という仕事の存在を知ったのは、“13歳のハローワーク”という本でした。(懐かしい)
今は新版が出ています

しかしながら、大学受験で思うような結果が出ず、心理学系を学ぶ大学への進学はできませんでした…

浪人は考えていなかったので、当時何とか合格することができた地元の大学の教育学部へ進学しました。

それでも臨床心理士になること諦めきれなかった私は、大学で教育学について学ぶ傍ら臨床心理士の養成について調べていました。

りん

大学の授業もちゃんと受けていたよ(こう見えて真面目)

すると、

“臨床心理士の指定大学院を修了すれば臨床心理士試験の受験資格が得られる”

“指定大学院は、心理学部以外からでも入学可能”

ということが分かり(2012年当時)、

「これなら私も目指せるのでは!?」と思い、ひそかに準備を始めたのでした。

受験前の筆者の様子

・心理系の学部に進みたかったが、大学受験で思うような結果が出ず他の学部(教育学系)に進学。

・心理系の学部ではなかったものの、学部には心理学を教えてくださる教授もいた。

・大学2年ごろから、卒業後は臨床心理士の養成課程のある大学院への進学を希望。

・当時在籍していたのは、1年次から4年次まで実習があるバリバリの教員養成系の学部。

・大学時代、最も忙しいのは3年のとき。(春と秋に、それぞれ半月~1か月の実習あり)

志望校の選定

臨床心理士養成指定大学院とは

当時私が目指していた臨床心理士。

臨床心理士の資格試験を受けるためには、資格認定協会が認めた指定大学院を修了する必要があります。

指定大学院は第1種指定大学院、第2種指定大学院、専門職指定大学院の3種類に分かれます。

それぞれの特徴を見てみましょう。

第1種指定大学院第2種指定大学院専門職大学院
修業年数2年2年2年
学位修士(心理学)修士(心理学)臨床心理修士(専門職)
資格試験修了後直近の試験受験可修了後1年の実務を経て受験可修了後直近の試験受験可+一次試験の小論文免除
実習設備大学附属の臨床心理相談室、学外実習設備大学附属の臨床心理相談室、または大学院から委嘱され定期的な実習を行う学外の施設専門職大学院の目的が十分な教育効果をあげることができると認められる施設・設備
大学院指定申請に関する参考資料 (fjcbcp.or.jp)

まずは自分がこの3種の大学院のうちどこで学びたいのかを決め、その後条件に該当する大学院を探していきました。

志望校決定の条件

上記を踏まえて、私は在住している地方の中にある2校を志望校として決定しました。

ちなみに、第一希望は専門職大学院、第二希望は第1種指定大学院でした。(※2012年当時)

そして、2校とも合格をいただき、結果的に第一志望の専門職大学院へ進学しました。

志望校の決定にあたって、当時私が重視した条件はこちら。

志望校決定のための条件

①臨床心理士の養成課程がある。(公認心理師は当時まだ誕生していませんでした)

②修了後は現場ですぐに心理職として働きたかったため、在学中に実践を多く積むことができる。

③教育領域や子どもへの支援に関心があったため、教育領域での実習ができる。

(④国公立の大学院である)

特に、①と②を重視していたため、専門職大学院または第1種大学院のどちらかに進学したいと思っていました。

特に、②の実践を積むことを重視していたので、住んでいる地域からそう離れていない県にある専門職大学院を第1希望に決めました。

(経済的な事情もあり、④も考慮しました)

ちなみに、古い書籍にはなりますが、受験当時はこちらを参考にしていました。

大学院入試の実際のスケジュールは?

さきほども述べたように、志望校は以下の2校です。それぞれA大学院、B大学院とします。

A大学院:専門職大学院

B大学院:第1種指定大学院

両校とも、大学4年の秋に入試が行われました。(大学院によっては翌年の春先に二次募集をおこなうところもあります)

ここからは、第一希望のA大学院入学に向けたスケジュールを紹介していきます。

第1志望校の試験日程および提出書類

A大学院の試験日程(一般受検)

①TOEICまたはTOEFL(あらかじめ受検し、願書とともにスコアを提出)

②筆記試験

③口述試験(※筆記試験合格者のみ、筆記試験の翌日に実施)

A大学の提出書類

 ・願書

 ・出身大学の証明書

 ・臨床実践計画書(≒研究計画書  ※以下当記事では「研究計画書」と呼びます)

 ・研究経過報告書又は臨床実践経過報告書(卒論の概要または現在研究を進めている研究等の概要)

 ・その他事務系書類

入試までの準備スケジュール

ここでは、主に第一希望であるA大学院受験に向けたスケジュールを紹介します。

STEP
大学2年:志望校の情報収集
臨床心理士になるルートを調べ始める

大学生活にも慣れてきたので、授業や実習の合間に臨床心理士を目指すためのルートを調べ始めました。

志望校を絞り始める

自分の希望を紙に書き出し、それにマッチするような学校を探し始めました。

自分の住んでいる地方内の大学院(A大学院・B大学院)に絞り、そこに進学したいことをとにかく周りの人に知らせていました。

志望校に在籍している院生の方と連絡を取る

「『A大学院に進学したい』と言っている学生がいる」という情報がどこからとなく伝わり、当時A大学院にいる院生の方を紹介していただくことができました。

りん

何のつてもなかった(←)私は、とにかく自分の状況をアピールして存在を認識してもらうようにしました

それから、院生の方々とメールでやりとりをさせていただきました。

おもに、大学院の特色や、今のうちにできる準備、受験勉強のポイント等を教えていただきました。

STEP
大学3年:試験勉強に取り掛かり始める
TOEIC受験

大学3年の9月までは所属していた学部の実習が忙しかったので、院試関係のことはほとんど手をつけることができませんでした。

実習が終わってからは、1か月程度TOEICの勉強に専念し、直近の試験に挑戦しました。

りん

なるべくメインの心理の勉強に時間を充てたかったので、早めにTOEICを受けました

過去問を集め始める・勉強のスケジュールを立てる・提出書類の骨組みを決める

TOEICが落ち着き、本格的に入試に向けた準備を進めていきます。

院生の方に相談しつつ情報収集を進め、実際の過去問に目を通していきました。

りん

過去問は院生の方がお忙しい中送ってくださいました…(感謝しかない)

大学院によっては、過去問をHP上で公開してくださっているところもあります。

各大学院のHPを巡って、公開されている過去問はなるべく目を通しました。

りん

ちなみに、この時点では“歯が立たない…”と感じた問題がほとんどでした…

まずは可能な限り公開されている過去問を見て、心理学の用語や出題の雰囲気をまず掴むようにしましょう

また、研究計画書などあらかじめ提出する書類についても、少しずつ準備を始めました。

りん

研究計画書については、基本は卒論の執筆を進めつつ、同時進行で概要をまとめていくイメージです。
また、私は適応指導教室でボランティアもしていたので、その活動についてもちょこちょこ記録を残しつつ、後からまとめられるように準備していました

STEP
大学4年
研究室訪問

大学院にはそれぞれいくつかの研究室があり、研究室ごとに特色が異なります。

HPで事前に教授の専門分野等を確認。

お話を聞いてみたいと思う教授にメールで連絡をし、研究室訪問のアポイントを取りました。

りん

理想としては何名かの教授からお話を伺えるとよかったのですが、都合がつかず研究室訪問はこの1回のみでした

実際に現地に足を運んでみると、実際に教授や院生の方から具体的なお話を聞くことができます。

また、学校の雰囲気を直接感じられたり、「ここで学びたい!」という思いも改めて持つことができてよかったです。

スケジュールが許せば事前に希望する研究室訪問をしておくのがおすすめ

研究計画書の準備

大学院入試で入試の準備と同じくらい大切なのが、この研究計画書になります。

研究計画書については、当時取り組んでいた卒業論文をもとに作成しました。

必要書類(願書等)の提出

いよいよ必要書類の提出です。

在学(卒業)している大学に発行してもらう書類もあるので、早め早めに確認しておきましょう。

ひたすら筆記試験の勉強&口頭諮問の練習

この時期にはB大学院の学校説明会もあったので、それにも参加しました。

また、両大学院とも口述試験(面接)の試験があったため、当時在籍していた大学のゼミの指導教員に面接指導をお願いしたり、ハローワークの就職支援課の職員さんにお願いして面接練習をしていました。

りん

大学の同期は教員採用試験が終わり夏休みを満喫している中で、誰もいない大学のゼミ室で勉強していました。この時期が地味にメンタルをえぐられました・・・(涙)

院試本番

院試情報はしあんさんのブログがおすすめ

私がいつも勉強させていただいている、ブロガーの先輩 しあんさんも、大学院入試に関する記事を多く書かれています。

実際の勉強の仕方、研究計画書の作り方なども詳しく説明してくださっており、大変参考になります。

りん

「自分の受験のときにしあんさんのブログがあれば…」と何度も思いました…!

大学院入試を検討されている方は、ぜひしあんさんのブログも参考にされてみてください!

まとめ:他大学&他学部からの入学は可能!

ここまで、他大学&他学部から臨床心理系の大学院に入学するまでのスケジュールをご紹介しました。

  • 他大学&他学部から臨床心理系の大学院へ入学することは十分可能。ただし早めの情報収集が必須!
  • 研究室訪問等を通して、志望する大学院の教授や院生の方とのつながりを持つようにする

他大学&他学部からの受験は、正直楽ではありません。

(大学時代は、同期の中には臨床心理系の大学院を目指す人はいなかったので、準備中も勉強中もとても孤独でした)

内部からの進学の方や心理学部出身の方に比べて、もともと持っている情報はどうしても少なくなってしまうので、大学院や入試問題の情報は早め早めに集め始めることを強くおすすめします。

りん

(良い意味で)コネクション大事!

入学してからは、これまでずっと学びたかった臨床心理学にどっぷりと浸かり、忙しいながらもとても充実した日々を送ることができました。

小学校からの16年間の学生生活の中で、大学院の2年間が一番楽しく、充実していました。

今は違う分野で頑張っておられ、「これから臨床心理士を目指したい」という皆さんを、心から応援しております。

りん

将来は、臨床心理士として一緒に頑張りましょう!

今回もお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

4歳と1歳の息子を育てる32歳の臨床心理士・公認心理師です。
子育て中の心理職の働き方や暮らし方を日々模索中。
X(Twitter)、noteも更新中です。

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